aroma recipes
直訳すると”森の人々”となるこの香りは、5種類の木の香りにほんの少し、ハーブと柑橘を加えている
ファーニードル、パインスコッチ、サイプレス、ブラックスプルース、カルダモン、レモン、ヒノキ(国産)
ファーはもみの木
パインは松
サイプレスは西洋ヒノキ
スプルースはトウヒ
それに国産のヒノキ
aroma image
熊野の森をイメージする香り
森、というと人はどんなイメージを思い浮かべるだろう?
実は森にもたくさんの種類があって、同じ種類の木のみで構成された人工林から、2種類以上の木からなる混合林、手付かずの原生林まで、どんな木で構成されるかによって、全く印象の違う森になる
ケヤキ、ブナ、ミズナラなど平たく丸みを帯びた葉をもつ樹木が多い森は明るい印象となり、トウヒや松などの針葉樹が多ければ鬱蒼とした黒っぽい印象の森になる
森を思い浮かべるときに、私たちは森のイメージの中に自分の心を映すことができる。
なぜなら私たちは森に囲まれた民族だから。
砂漠の民はきっと、砂漠のイメージに心を映し出すのだろう。
私の心で印象に残っているのは、昔よく通った熊野の森だった。
針葉樹の枝の間からい薄く差し込む光の中、熊野古道の苔むした石の階段を一つずつ上がっていくと、時間の感覚がずれていくのがわかる。
今この瞬間に歩いている自分が、かつて歩いていた誰かの気配を感じながら歩いている。
陽が登ってすぐの熊野古道は人の気配もなく、信仰の場所とされる様々な場所に流れる独特の空気感だけが流れていた。
静かな森の中に、甲高い鳥の威鳴き声がした、顔を上げると美しい青い羽を持ったオオルリが、雷で途中から折れてしまった木の枝に止まっていた。
こんなところにオオルリが…
美しいオオルリを近くで見たのは初めてだった
メーテルリンクの青い鳥、の物語にふさわしい光るような青さと真っ白なお腹を持つ鳥は、逃げずに私を見つめていた。
3秒、5秒、、もっと短い時間だったのかもしれない。
鳥と目を合わせている私の心の中に、鳥と話してみたい、という思いが湧いた。
私は高い声で、るるー、と言ってみた。
オオルリは黙っていた。
そして、羽を広げて飛び立つ姿勢を見せた
あ、行ってしまう
そう思った途端、オオルリは飛び立った、
そして…10メートルほど先の木に再び止まった
その場所は古道からは少し外れた場所だった
その木の上からじっとこちらをみていた
そして、一際美しく鳴いた
私は古道から出て、その木のところまで歩いて行った
石段から離れても、意外に地面は歩きやすく簡単にオオルリの止まる木のところまで行くことができた
そこからオオルリを見上げると、深い森を背景にしてオオルリの青さと白さが一層際立っって見えた
驚いたことに、その木の先には道が繋がっていて、森の奥へと続いていた。
オオルリが私を誘うように森の入り口の木まで飛んでいき、
また振り返って私をみた。
きてみて。
私は森の奥に入っていく
その先にある、
まだ見たことのないものを見るために・・・
これは、私がこの香りから感じたイメージ。
ちょっと怖いと思うかもしれないけれど。
それぞれの木が育つために必要な環境は違うので、
この香りに使われている5種類の木は、決して同じ森に生えることはない。
現実では交わることのない植物たちが交わることができるのが、天然精油の調香の世界の面白いところ。
レモンの香りの向こうにモザイクのように重なる森の香りは、少しミステリアスな感じがする。
確かに木の香りだけど、それが一体何の木の香りなのかわからない。
森の民の私たちは、その複雑な香りの中にそれぞれの森を感じることができる。
No14, Forest people( フォレスト・ピープル)
- 落ち着きと安心感をもたらす香り
- 木を使用している空間
- 保育園で使用されています
- 抗菌効果を望む場所に
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